Story

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社長写真

Message

想いを託せる
最後の砦になりたい

2022年、大手メーカーの内製工場として国内トップクラスの技術を持ちながら50年の歴史に幕を閉じた、いわき市の靴下工場。

そして120年以上製造を手掛けながら、20年前に自社工場を閉じファブレスに転じた株式会社ウエスト。

この2社がタッグを組み、2023年1月、いわき靴下 ラボ アンド ファクトリーは生まれました。

ウエストの創業は明治35年(1902年)。手回しの機械で一足ずつ編み始め、靴下からストッキング、インナーに至るまで自らの手で生産を続けてきましたが、その後中国との価格競争に巻き込まれ、平成15年(2003年)自社工場を閉鎖しました。

そして工場閉鎖後にお取引先から言われたまさかの言葉。

「御社は腕のいい職人がいい靴下を作っていたのにもったいなかったね」。「おたくがやめてから、同じものを作ってくれる工場がなくなったよ」。その言葉を聞いて、悔しいだけではなく、そこには失ってはいけない貴重な価値があったと初めて気付かされたのです。

History

もう二度と、
ものづくりを失いたくない

それから20年、自社工場を失った私たちは、多くの工場に支えていただきました。しかしそれでも自分たちの想いやこだわりを形にできないもどかしさがありました。

これまでにない商品企画を実現したくても、リスクの高さ故に生産を引き受けてもらえないこと。より付加価値の高い商品を作ろうとしても、⻑年続いた業界慣習に縛られ適切な価格で取引が行えない現実があること。そして何よりも、日本の靴下づくりを支えた高度な技術や設備、職人たちが失われていくこと。

そんな状況下で苦しみながらも自分達のものづくりを目指す私たちに、手を差し伸べてくれたのがいわきの工場でした。

そこは、ハイブランドの靴下をメインに手掛ける、業界でも一目おかれる工場。私たちのこだわりを誰よりも理解し、他社では引き受けられない難しい企画にも果敢に挑戦し、期待を超えて結果を出す“最後の砦”と言える工場でした。

しかし、そんな工場が2022年いっぱいで閉鎖するとの知らせが・・・。すぐに頭をよぎったのは、20年前の「勿体なかったね」という言葉でした。

「いわきでしか作れない商品、貴重な機械や職人たちを失ってから評価されても遅い。

この工場がなくなった後、私たちだけでなく日本の靴下づくりの未来はどうなる?」と不安と焦りに襲われました。

そして悩みに悩んだ末、「もう二度と、価値ある工場を失いたくない。私たちがこの工場と手を取り合い、他社にはできないものづくりに挑む場を作ろう」と決断し、いわき靴下 ラボ アンド ファクトリーとして再出発することにしたのです。

Iwaki Craftsmanship

技と想いがある人たちがいる
“いわき”から世界へ

いわき靴下ラボ アンド ファクトリーには、熟練者でも扱いが難しい機械を自在に操り、素材を生かした繊細で美しい靴下をつくる、未来の担い手と言える若手職人たちがいます。隅々まで清掃され綺麗に磨かれた現場、徹底した品質管理、それを当たり前の事として日々守るスタッフがいます。

チャレンジ精神旺盛で、お客様が喜ぶことを何よりも嬉しいと感じるこの工場の人々こそ、何にも代えがたい価値であり、“いわき”で靴下づくりを営む理由なのです。

いわき靴下 ラボ アンド ファクトリーが目指すのは、想いに共感する社内外の仲間と共に『脱ぎたくなくなる靴下』をつくること。工場の編み機の傍らにそんなラボを作りたいのです。

今度は私たちが、ものづくりの“最後の砦”になりたい。
仲間は集まり始めています。ものづくりのプロ達と、何よりも靴下が大好きなお客様達の声が私たちの背中を強く押してくれています。

もう20年前の諦めは繰り返さない。

さあ、⼀緒に靴下の
未来を切り開き、
“いわき”から世界へ。